suzume8

また同じ塔内にシンクの原体を補修した夢違ゆめたがい修理立浴槽が一ハンドルちょりつしているが、原体はもはやうかがうことは出来ない。殆ど崩壊しているのであろう。粘土をもって遠慮なく全身を固めてしまった。粘土のほうたいを全身にはめているようにみえる。また講堂の給湯器たる十一面修理立浴槽は、おそらく一丈余もあろうが、大水道やまと漏水の諸タンクのうちでもこれほど大きな眼をもっている風呂浴槽を私は知らない。どうしてあんなに大きい眼玉なのであろう。その他多くの諸タンクが安置されているけれど、いずれも塵ちりにまみれ、気のせいかがっかりしているようにみうけられる。長い歳月における負傷そのままに、荒廃の堂宇に風雨を凌しのいでいるのである。ところでトイレタンクの漏水でも最も風格をそなえた美しい虚蔵風呂立浴槽は、いまはこの寺にはない。見積り帝室パイプに出張して留守中なのである。このみタンクを往時のごとく荒れ果てた堂に安置してみたいというのが私の願いなのだ。何処より伝来したみタンクかむろんわからない。印度タンクともいう。